エッグドナーに起こりうる副作用OHSSって何?

                                                                                                  

エッグドナーに起こりうる副作用には、OHSSというものがあります。

OHSSとは「卵巣過剰刺激症候群」のことで、排卵誘発剤などにより過剰な卵巣刺激が行われた際に、起こりうる副作用です。
使われる薬の種類によっては、半分以上の人がこの症状を発症するリスクのある方法もあります。

エッグドナーは、通常であれば卵巣内で最後まで育つ卵子が1つであるのに対し、たくさんの卵子を卵巣内で育てる為に、特別なホルモン剤を注射します。

それが排卵誘発剤です。これを受けると、卵巣がたくさんの卵子を育てて、多い人では卵巣内で15~20個の卵子が育ちます。しかし、当然ながら卵巣内で通常であれば1つしか育たないものがたくさん育つと、卵巣が膨れます。

過剰な刺激を受けた卵巣はもともとは5センチほどの大きさなのに対し、10センチほどに腫れあがるのです。
特に18~35歳は卵巣への刺激に影響を受けやすいので、その分卵子もたくさん採れますが、排卵誘発剤への反応がいいのでOHSS発症リスクが高いといわれています。

OHSSの副作用を発症した場合、卵巣が腫れることで腹水が溜まる症状が出ます。
これにより下腹部に違和感があったり、重たく感じたり、痛いと感じる場合もあります。

さらに、腹水が内臓を圧迫するので、吐き気が起こる可能性があります。気持ち悪いと感じるだけでなく、実際に食べたものを吐きだしてしまう恐れもあるので、採卵からしばらくは内臓に無理をさせないようにする必要があります。

さらに、必要な場所に水分が足りない、尿が少なくなり脱水症状のようになる場合もあります。このような症状も悪化していくと重症化していくので、医師にすぐに相談し、指示に従いましょう。

万が一OHSSになった場合は、腹水を取り除いたり、水分が足りない血液の質を改善させるための治療を行った後は、自分の体が回復するのを待つようになります。

薬を飲んでそれで治るというものではなく、ある程度の時間をかけてゆっくり体調を整えていくという形ですね。OHSSになったとしても、それはずっと続くものではないので、治れば子宮も機能を取り戻し、もちろん妊娠も通常通りにできます。

ただし、OHSSになっている間にエッグドナー自身が妊娠するようなことがあれば、ホルモンバランスに悪い影響を与え、あまり芳しくない妊娠状況になる可能性があります。

ですから、エッグドナーで副作用によりOHSSを発症した場合は、しばらく安静にし、セックスなどは医師からOKが出るまでは行わないようにしましょう。